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2013.01.27

W203(後期型)のインプレッション~がっかり編

 W202(1999年式C240)から乗り換えたW203(2005年式C230コンプレッサー・アバンギャルド)のファースト・インプレッションを書いてから随分時間が経ってしまいました。
 購入してから8ヶ月を経て、今回はW202から進化したはずが、逆に退化した?部分、がっかりさせられた部分をを中心にインプレッションをレポートします。



■自動車とは何かを教えてくれたW202
 私はメルセデス・ベンツを所有したのは、W202だけですから、決してメルセデス・ベンツを語れるほどの経験はないわけですが、しかし、それでもW202に初めて乗ったとき、そのあまりの素晴らしさにまったくベンツに興味がなかった私がそれを購入し、購入してからも乗るたびに感動するくらいよくできたW202について、惚れ込んでいました。自動車が備えるべき要素、それが何なのかを教えてくれた車といっても過言ではありません。
 私はいろんな高級車に試乗する機会を得て、自分なりの評価軸を固めてきました。メルセデス・ベンツCクラス(W202)は素晴らしい車であり、私の評価の基軸となる車、車としてのベンチマーク、スタンダードといっても良い車でした。そして、次の車もCクラスがいいな、そう思っていました。
 だから、迷うことなくW203を選んだわけです。W202をもっと進化させたであろうW203。期待感があったわけです。
 デザインは、最初はひょうたん目があまり好きじゃなかったのですが、後期型になってヘッドランプがプロジェクターになるとなかなかカッコいいと思えるようになってきたこともありました。

■あちこちが安っぽくなったW203
 期待して買ったW203ですが、乗るとW202に比べて、様々ながっかり要素が見えてきました。見た目がカッコいいだけに、それに対する落胆は、今でも癒えてはいません。まずそのことからレポートしたいと思っています。これを先に言わずして、W203の良さは語れないわけです。不満をまず言わせてください。W203のオーナーのみなさん、そしてW203を検討しているみなさんの反感を買うかもしれませんが、それでも書かずにはいられないわけです。
 細かいことも含めて、いや、ディテールにさへ込められたメルセデスのこだわり、そのことがつくづく、そして深く私を尊敬せしめてきたメルセデス精神、メルセデス哲学、W202にはあったそれがW203ではなくなってしまった、それを今回は報告したいと思います。

がっかりその1:軽くなったドア
 W202に乗ろうとして最初に感じるずっしりとした重みのあるドア。見た目を裏切る重さ、とでも言うんでしょうか。その重さに、メルセデス初心者の私は、さすがだ!これがドイツ車か、そう思ったものです。6年半乗っていた間、開けるたびに感じていた満足感。今からメルセデスに乗れる。そういう所有している満足感が、W202はありました。決して飽きることのない、その重量感、品質感。ドアを開けるときから始まっていたわけです。
 ところが、W203ではそれが薄くなってしまいました。開けた瞬間、あれ・・?軽い・・・。車体軽量化のためなんでしょうか。普通の車、よりはそれでもちょっと重いけれど、W202比で確実に軽くなってしまいました。誠に残念です。
 ただし、リアドアは、W202は割りとカスッとした軽さだったんですが、W203は逆に少し重くなっている気がします。

がっかりその2:普通に近づいたシート
 次に、シートに座るわけです。すると、あれ?柔らかい・・・。
W202のシートは、座った瞬間、硬い、そう思うのですが、しばらく乗っていると、この硬さがなんというか独特の心地よさに変わる不思議なシートでした。
 座った瞬間、表面が板のように感じたW202のシート。運転中に車両が上下するのにあわせて、垂直方向に平行して上下するような感覚がなんともいえず、心地よい。こんなシートは乗ったことがありませんでした。私は座り心地に定評のあるフランス車のシートばかり乗ってきたので、この硬いのに心地よい感覚は初体験で、すごく気に入っていました。乗っていて尻が痛くなるようなこともあまりなく、父もこのシートは腰が痛くならない、そう言っていたシートでした。
 W202のシートの造りは金がかかっているようで、伝統的なメルセデスの表面のファブリックと薄めのウレタンの下は、ヤシ殻繊維が厚い層をなし、その下にベッドに使われているようなコイルスプリングが仕込まれているものだったと思います。普通は棒に波をつけたような安っぽいスプリングを使うものなのに、メルセデスのそれは違っていた。それらが独特の上下動を作り出していたと思っています。
 それがですね、W203では、たぶん、ヤシ殻は使われてない。スプリングはよくわかりませんが、ヤシ殻がなくなった分、表面のウレタンがW202に比べて厚くなったような感じです。安っぽい感じではない座り心地で、ウレタンもスカスカなんかではなく、しっとりとした少しテンピュールっぽい割といいウレタンなんだと思います。これが万人ウケするシートなんでしょう。
 それでも、私はあのヤシ殻シートが懐かしい。乗るたびに、いいな、って思わせる。乗り心地もいいシートでした。

シート表皮は、私のC230コンプレッサー・アバンギャルドはハーフレザーになっているんですが、フェイクレザーです。それがまた安っぽい。ビニールって感じです。シボ感もイマイチですが、薄いんですね。だから、革じゃない、と
どんな素人が見てもわかる。その点、シトロエンXmのシートの一部に使われているフェイクレザーや、アウディA6のそれは、よーく見ないとわからない。それくらいの品質があって欲しかった。

がっかりその3:安っぽいスイッチの仕上げ
 第3に、スイッチの樹脂の仕上げが安っぽくなりました。ツルツルとした表面で、安っぽいテカリ方がメルセデスらしからぬ品質感です。たとえば、このヘッドライトのスイッチ。最初見たときは、「何これ?・・・」国産車の大衆車並みの品質です。いまどきの大衆車なら、こんな酷くもない。すごくがっかりです。

パワーウィンドーのスイッチも安っぽくなりました。センターコンソールから、ドア側に移されたスイッチは、使いやすくはなったものの、表面の仕上げがやっぱりツルテカ。タッチも少し悪くなってる。スイッチが小さいんですね、以前に比べると。だからなのか、重量感がなくなってしまいました。

がっかりその4:安っぽいレバーのタッチ
 第4に、ウィンカーレバーのタッチがすごく安っぽくなりました。 W202のウィンカーレバーやクルーズコントロール・レバーっていうのは、レバー部が金属だったんですが、W203では写真のようにスイッチ部と一体になった黒樹脂になりました。これが、あーた、ものすごく安っぽいタッチなわけです。国産車並み。つまり、操作すると根元が「しなる」感じが伝わってきます。剛性感が不十分。ウィンカーってしょっちゅう操作するものですから、操作するたびにがっかりさせられる。W202のそれは、タッチがすごく良かった。倒したときにしなる感じもなければ、カチンッと倒れて、あいまいな部分がない。戻るときも反発力がしっかりある。あんなウィンカーレバーのタッチは経験ないです。今まで乗った車の中で、一番良いタッチだったわけです。それがなくなってしまった。

がっかりその5:薄くなったフロアマット
 第5に、フロアマットが安っぽい。薄くなってしまったのか、重量がなくなって、矢印のように中折れしてしまうんですよ。ずしりと重いマットじゃなく、ペナンペナンのマットなのです。敷くとマットは前方に行くに従ってマットの先端が登りますが、薄いので、前方の重量を支えきれず、中折れしてしまう。これがなんとまぁ、安っぽい。こんなの国産車でも見たことないですよ。まったくひどい。

がっかりその6:廃止された余熱ヒーター
 第6に、ベンツの工夫で書いた余熱ヒーターが、なんとなくなってるんですよ!えーー!?嘘やろ・・・。いくら探しても、RESTと書かれたスイッチはありません。なんで、あれ、廃止してもーたん?
 すっごく便利だったのになぁ。この時期には必須のアイテム。子供を駅に迎えに行き、待っている間、他車がエンジンをかけっぱなしにして暖をとっている中、メルセデスはRESTがあるから、エンジンを切っても暖かかった。今は、寒い。かといって、アイドリングするのは気が引ける。コストダウンのために、電動ウォーターポンプをやめてしまったのだろうか?すごくがっかりです。

がっかりその7:タッチが少し悪くなったシフトレバー
 第7に、ATシフトレバーのタッチが少し悪くなりました。W202の方が、カチンと決まった。W203は少し柔らかくなった感じがします。柔らかくなったというのは、反発力のばねが弱くなったという意味です。それでも、なお、LEXUSを含めて他車を寄せ付けないタッチではありますが。このあたりは、自動車ジャーナリストの笹目二朗氏が、WebCGのブリーフテストで「レバー類の操作タッチは良い部類に入るが価格を考えるとさらに期待値は上。カチッとした節度感や剛性こそが高級品質の証」と書かれているとおりだと思います。

W203(前期型)が出た当時のNAVI(2000年/8月号)の清水和夫氏の総括には「はたしてCクラスは本当にモデルチェンジをする必要があったのだろうか」と書いていますが、これまた、まったくそのとおりだと思います。

かつてW202、W210のオーナーだったいきつけの美容師さんにこういった話をしたところ、「過渡期のモデルだったんじゃないかな」。私もそう思います。W204はどうなっているのかわからないのですが、最近乗ったCLSにはまったく安っぽさはなかったところを見ると、そうなんだと思いたい。
概して、W202からW203には特別な理由がない限り、乗り換える必要はないというのが私の結論です。
ところが、じゃあ、お前はW202に戻りたいのか?と問われれば、それが、戻りたくない、そう思うのもまた事実なわけです。
そのあたり、次回、W203になって良くなったところを報告します。

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W203のインプレッション」カテゴリの記事

コメント

>Kazu-san

コメントありがとうございます。
ドアのキャッチが、樹脂ではなく中身は金属って話は知りませんでした。私には樹脂だろうが金属だろうがそこのところは、あまり気にしたことはなかったのですが、閉めたときのあたりや音やフィールが違うという人もいたりしますよね。私はフィールが変わった感じがしなかったのですが、中身が金属だったからなのかもしれません。
情報ありがとうございます。

投稿: TOS | 2015.12.15 22:13

ドアのキャッチは樹脂に変更されたのではなくて、金属ベースのキャッチの表面全体に樹脂が厚めにコーティングというかカバーされているのです。部品で取ってみるとわかります。無理やり樹脂コーティングをはがすと、金属が顔を出します。ここは、万が一の際に不用意にドアが開かないように相変わらず剛性高くできています。

投稿: Kazu-san | 2015.12.15 20:26

>ジンヤさん

レス遅れてごめんなさい。
2004年式のAMGでは余熱ヒーターが着いてたんですね。たぶん、AMGだけの特別装備ではないかと思われます。
って、どこにスイッチありますか?エアコンのところ??

投稿: TOS | 2015.01.04 17:09

2004年式AMGc55ですが、RESUT(余熱ヒーター)付いてますけど。翌年には、無くなったのかなあ!?あれは、あると、便利ですね。特に夜遅くとかに、住宅街で、待ってたり、パートナーと、ドライブに、行って静かな所で、話したり、するのに。

投稿: ジンヤ | 2014.12.09 23:58

> Kyon2 さん

W202からのご愛顧、ありがとうございます^^

私がW202から乗り換えたのは、W202の調子が悪くなってきたからなんです。もちろん、専門店で直してもらったら、良かったのかもしれませんが、投下する費用を考えると、今、とてもお買い得な最終型に近いW203はとても魅力がありました。
Kyon2 さんも、そういう状態なら、W203に移ってもいいのかもしれません。ですが、BMWのE46とか、他にいい車もありますからね。めちゃくちゃ安くなってるし。
メルセデスが好きなら、W203は、安っぽいといいながらも、やっぱりメルセデスならではのところはありますから。
次回はそのあたりをレポートしたいと思います。

投稿: TOS | 2013.02.17 11:10

こんにちは、W202時代から拝見しています。
長年乗ってきたW202を手放し、W203に乗換え
ようと前のめりになっている私にとって、このような
真実のレポートはとても参考になります。

さらなるレポートを期待しています。
早く決断しなくてはいけないのですが、なんとも
悩ましいブログです(^―^)

投稿: Kyon2 | 2013.02.15 00:23

> サルトルさん

ご無沙汰してます。まだこのブログを見てくれていて、うれしいです!

W203のいいところはですね、めっちゃ単純な答えなので、あまり期待しないでください^^;

> GPKさん

コメントありがとうございます。
私だけのインプレじゃなく、より大勢の人の印象って、大事だと思うんですね。きっと本当のところ、真実の姿みたいなものは、いろんな人の意見の中間あたりにあるんだろうと思いますから、私のレポートを読んで参考にされた人も(いないか?^;;)、GPKさんの意見でその印象を修正されて、きっとイメージがより鮮明になってくるんだと思います。

それにしても、名車W124のシートは、W202以上ですか。うーん、状態のいいやつに座ってみたい。ヤシ殻だけでなく、馬の毛も使われていたというようなことを読んだことがあります。

投稿: TOS | 2013.01.30 00:57

各指摘点で私の感じたこととの相違を書きますね。
1.軽くなったドア
 ⇒確かに!!
  ドアチャックが樹脂でがっかり
2.普通に近づいたシート
 ⇒激しく同意!!
  202でも124に比べるとプアになってました
  203はさらにプアですよね。
3.安っぽいスイッチの仕上げ
 ⇒これはあまり感しません。
  202もある程度同じに感じました
4.安っぽいレバーのタッチ
 ⇒これはある程度同意!!
5・薄くなったフロアマット
 ⇒そうですね。
  でも、中古購入なんで文句は言いません。
6.廃止された余熱ヒーター
 ⇒これは激しく同意!
  使ってるんだから付けてくれ!!
7.タッチが少し悪くなったシフトレバー
 ⇒ある程度同意
  私は頻繁にシフトレバーは使わない
  ので、余り気になりません。

他のインプレにも期待してます。(良い点含)
[壁]ρ ̄)ノ~~

投稿: GPK | 2013.01.28 19:31

この有り余る欠点を補うものが何なのか!?

期待して待ちます。

投稿: サルトル | 2013.01.28 10:43

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